CT検査とは

CTはComputed Tomographyの略で日本語ではコンピューター断層撮影といいます。

 

 
〇何がわかるか?
CT検査は、がんの診断において最も基本となる画像検査で、ほぼすべてのがんで行うことがあります。がんの有無や広がり方や性状、他の臓器への転移がないかを診断します。治療の効果判定や治療後の再発がないかを確認するなどがあります。
レントゲンで分からないような骨折や肺の病気や各臓器の腫瘤などの診断も行います。
さまざまな目的で行われる幅広い精密検査です。
〇検査の方法
いろいろな方向から体にX線をあてて、体の中にある成分によるX線の吸収率の違いをコンピューター処理し、体の断面を画像にします。連続した断面の画像を作成することにより、体の中の様子を立体的に把握でき、疾患によっては3D画像の作成も可能です。検査の目的によっては、造影剤を使用する場合があります。
〇検査の実際
ベッドの上に基本的には仰向けになった姿勢で行います。ベッドが自動で動き、ドーナツ状の機械の中のトンネル状の装置の中に入ります。はら外科胃腸科クリニックでは足側からトンネル内に入るようにしています。(閉所恐怖症の方の為。足側から入ると顔の部分が機械の内部に入らなくてすみます。)
撮影時には数秒から十数秒の機械のアナウンスに合した息止めをしてもらいます。検査自体は基本的には5分以内で終了します。(造影剤使用時にはもう少し時間がかかります。)
〇検査の注意点や準備など
撮影する範囲に金属類やプラスチック類などがあると画像に映り込むため、外せるものは必要に応じて外します。
また、ペースメーカーや除細動器などが体内にある場合は、それらの動作に影響することがあるため確認が必要です。必ず医師や撮影担当の放射線技師に伝えましょう。
腹部CTや造影剤を使用する場合には、検査を受ける数時間前から食事はできません。基本的には午前中の検査となりますので朝食を抜いて頂く事となります。

〇CTにおける被曝に関して
現在人の健康に影響することが確認されている放射線の1回量は100mSv以上です。(※Sv:シーベルトとは、放射線が人間にあたったときにどれだけ健康に影響があるかを評価するために使う単位です。)1回のCT検査で被ばくする放射線量は、おおむね5~30mSvです。放射線量は、患者の年齢や体格などに合わせて調整されています。また、CT検査によって被ばくしダメージを受けた細胞のほとんどは、そのたびに修復されて正常な細胞に戻ります。
このことから、複数回検査を受けたとしても、検査による被ばくの影響を過度に心配する必要はありません。また、検査を行うのは、被ばくの影響よりも、がんを発見したり、がんの広がりや治療の効果を確認したりするなど、現在の体の状態を調べるメリットの方が大きい場合だけです。
不安がある場合は気になる点を医師に伝えて説明を受けましょう。なお、胎児は放射線の影響を受けやすいため、妊娠している人、妊娠している可能性がある人は、必ず医師に伝えてください。

放射線科 近藤